上あごの奥歯2本がない方へ〜インプラント以外の方法について〜

【目次】
●上あごの奥歯2本ない方へ
●なぜ難しいのか、CT画像で解説
●ドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯のご紹介
●治療内容について
●YouTubeチャンネルでも解説

●上あごの奥歯2本ない方へ

上あごの奥歯2本もしくは3本がない場合、治療方法に悩まれる方は多いのではないでしょうか。

なぜならば、上あごの奥歯の部位は骨の中に上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる空洞があるため、骨の中に支柱を埋め込むインプラントが非常に難しいからです。

●なぜ難しいのか、CT画像で解説

こちらは、奥歯がない方のCT画像ですが、奥歯の部分の骨が非常に薄いことが確認できると思います。

サイナスリフトなど、骨増成術(こつぞうせいじゅつ)と呼ばれる、骨を増やす方法もありますが、時間が長くかかるのと、一旦増えた骨も、インプラント周囲炎やかみ合わせの圧力により、また骨が薄くなることもあります。

また、保険治療で適応されるクラスプ義歯は金具が見えてしまい、見かけが悪い。

見かけは良いが、金具が見えないシリコン義歯は、噛むことが難しい。

ということで、何か良い解決策を探されている方へ、実際の患者さまの例をもとに、ドイツで開発されたテレスコープ義歯をご紹介させていただきたいと思います。

●ドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯のご紹介

患者さまは60代男性で、奥歯にかけていたブリッジが腫れてしまい抜歯、奥歯を3本失ってしまい、他院にてインプラントができないと言われホームページをご覧になり来院いただきました。

インプラント以外ですと、通常なら反対側の歯まで金具を通して入れ歯を入れないといけませんが、テレスコープ義歯により片側だけの小さな入れ歯で治療することができます。

手前の2本に内冠を被せます。

その上から、取り外しができる部分、外冠を被せます。

取り外しは、入れ歯の中に組み込まれている鍵を開くと取り外すことができ、閉めると外れなくなります。

現在、治療から5年が経過し、先日メンテナンスにいらしていただきました。

歯の白い部分が少しかけてしまいましたが、すぐに修理をし元どおりになりました。

取り外しができるメリットとして、修理をすることができることだと思います。

支えている2本の内冠部分も、治療した当初と変わらずにしっかりとしていました。

奥歯2本、もしくは3本がないと言われ、インプラントができなくとも、しっかりと噛むことができて、見かけも気づかれない方法がありますので、困っていらっしゃる方は一度ご相談にいらしていただければと思います。

●治療内容について

●治療内容
上あご奥歯2本分の治療、ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープ
治療、仮歯製作など含む
●治療期間・回数
4ヶ月・6回
●費用
上あごリーゲルテレスコープ ¥1,200,000(税別)
(自由診療)
●リスク・副作用
清掃を怠ると歯周病が起こることがあります。
年月の経過により骨が吸収する場合もあります。

●Youtubeチャンネルでも解説

今回治療をさせていただいた患者さまよりその後の様子を聞かせていただいております。ぜひ、ご覧ください!

その他、メール相談やLINE相談もお引き受けしておりますので、遠慮なくご連絡ください。

筆者プロフィール

著者

稲葉歯科医院
院長 稲葉 由里子

■経歴
  • 1997年 日本歯科大学卒業 歯科医師免許習得
  • 1997年 日本歯科大学研修医
  • 1998年 東邦大学大橋病院 麻酔科で一年間研修医
  • 1999年 稲葉歯科医院 開業
  • 2010年 医療法人社団 秀峰会 設立
  • 2016年 テレスコープ義歯専門技工所 Weber dental labor 開設 現在に至る
  • ※ドイツやスイスで各種研修を受講
■所属
  • IPSG総務理事
  • Weber dental labor 代表
  • EPA ヨーロッパ補綴学会 会員
  • ISOI国際インプラント学会 会員
  • WDAIインプラントアカデミー 会員
  • 顎咬合学会 認定医
  • スイス商工会議所 正会員
  • ドイツ商工会議所 正会員
■患者さまへのメッセージ

奥歯を失うと、片方だけで噛むような癖がついてしまいます。 残っている周りの歯に負担がかかるだけではなく、顔の表情にも左右差が現れるなど、 連鎖して様々な部位に症状が現れます。

第一選択肢として、インプラントが考えられますが、インプラントが怖い方、骨が弱い方、ご病気をお持ちの方もいらっしゃいます。
そのような方へ、取り外しができるブリッジのような感覚でお使いいただけるドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯をご紹介させていただいております。
入れ歯の中に鍵がかかるようになっているため、鍵を開かない限りは決して外れることはなく、舌で持ち上がることもないため、入れ歯であることも気づかれません。

たくさんの症例を経験して参りましたので、 これまでの患者さまの経過も含めブログにご紹介させていただきたいと思います。

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