上あご、奥歯3本がない場合の治療方法について

上あご、奥歯3本がない場合の治療方法について

上あごの奥歯3本を失ってしまった方、インプラントか部分入れ歯で迷われていらっしゃる方は多いと思います。

インプラントをしたくとも、上あごの奥歯のあたりは上顎洞(じょうがくどう)という骨の空洞があるため、手術が難しいことでも知られています。

CTで確認しても、上あごの奥歯の骨は非常に薄く繊細であることがわかりますね。

新しい骨を作る方法もありますが、全体的に骨が足りない場合には、長い時間がかかります。

また、上あごの部分入れ歯は、重力で落ちてきてしまう危険性があり、落ちないように反対側まで金属のバーを渡し、クラスプで繫ぎ止めるような方法を推奨されます。

クラスプ義歯も、シリコン義歯も、重力に耐えられる設計を行う必要がありますが、なかなか難しいのが現実です。

そこで、ご紹介させていただきたいのが、重力で落ちることがない、ドイツ式入れ歯リーゲルテレスコープです。

このように、入れ歯の中に鍵がかかるようになっており、鍵を開かない限りは絶対に落ちてくることはありません。

手前の2本をつなぎとめ、内冠という装置を歯に接着させます。

その上から鍵付きの部分入れ歯、リーゲルテレスコープを被せる仕組みになっております。

向かって右上にリーゲルテレスコープが入っていますが、目立った金具もなく、非常にシンプルな入れ歯です。

平成29年に治療をさせていただき、現在4年経過しておりますが、支えている歯を失うことなく使っていただいております。

先日、メンテナンスにいらした時に、これまでの経緯や使い心地についてお聞きしました。

・両側で噛むことができるかどうか。

・食べ物が詰まりやすいかどうか。

・入れ歯安定剤が必要かどうか。

・メンテナンスについて

よろしければご視聴いただき、参考になさってくださればと思います。

筆者プロフィール

著者

稲葉歯科医院
院長 稲葉 由里子

■経歴
  • 1997年 日本歯科大学卒業 歯科医師免許習得
  • 1997年 日本歯科大学研修医
  • 1998年 東邦大学大橋病院 麻酔科で一年間研修医
  • 1999年 稲葉歯科医院 開業
  • 2010年 医療法人社団 秀峰会 設立
  • 2016年 テレスコープ義歯専門技工所 Weber dental labor 開設 現在に至る
  • ※ドイツやスイスで各種研修を受講
■所属
  • IPSG総務理事
  • Weber dental labor 代表
  • EPA ヨーロッパ補綴学会 会員
  • ISOI国際インプラント学会 会員
  • WDAIインプラントアカデミー 会員
  • 顎咬合学会 認定医
  • スイス商工会議所 正会員
  • ドイツ商工会議所 正会員
■患者さまへのメッセージ

奥歯を失うと、片方だけで噛むような癖がついてしまいます。 残っている周りの歯に負担がかかるだけではなく、顔の表情にも左右差が現れるなど、 連鎖して様々な部位に症状が現れます。

第一選択肢として、インプラントが考えられますが、インプラントが怖い方、骨が弱い方、ご病気をお持ちの方もいらっしゃいます。
そのような方へ、取り外しができるブリッジのような感覚でお使いいただけるドイツ式入れ歯、テレスコープ義歯をご紹介させていただいております。
入れ歯の中に鍵がかかるようになっているため、鍵を開かない限りは決して外れることはなく、舌で持ち上がることもないため、入れ歯であることも気づかれません。

たくさんの症例を経験して参りましたので、 これまでの患者さまの経過も含めブログにご紹介させていただきたいと思います。

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